Pumigadgetsブログの記念すべき最初の記事はAnker社のPowerPort Atom PD1のレビューを行いたいと思います。
スマートフォンを始め、多くの小型電気製品はすべてと言って良いほどUSBによる充電を行うことが一般的になってきました。これまでは、USB Aタイプの形状をしたUSB充電器が一般的でしたが、Macbookを始めUSB-Cをサポートしたデバイスがで始めたことによりUSB充電器もUSB-Cタイプの物が出始めているんです。
開梱
Anker社の製品はどれも至ってシンプル。丁寧な物づくりをしているイメージがあって好感が持てますよね。
まずは大きさからチェック
このAnker PowerPort Atom PD1の最大の特徴はそのコンパクトさです。
写真を見ていただければ分かる通りかなりの小ささです。
サイズは、「35 x 41 x 55mm」となっています。
かなりのコンパクトさですね。
ちなみに、iPhoneに付属するUSB充電器の大きさは「44 x 26 x 26mm」ですね。
iPhoneに付属するUSB充電器(左側)と並べてみました。
大きさとしてはiPhoneの充電器を二回りほど大きくした感じです。
重さはAtom PD1は53g、iPhone用が23gです。
違いは出力!30Wの高出力
大きさだけを見るとiPhone用の方がコンパクトで軽いということになりますが、この製品の凄さは出力の違いにあります。
iPhone用の充電器は最大5Wとなりますが、Atom PD1の出力は何と高出力の30Wもあるんです。
製品に印刷されている出力値を見てみると、
5V=3A / 9V=3A / 15V=2A / 20V=1.5A
と書かれています。
そもそもV(ボルト)、A(アンペア)、W(ワット)ってなんだ?
USB充電器に限らずACアダプタ等には必ずこう言った電源に関わるスペックがHPや実機上に書かれているので、そのスペックが実際に使用されるケースに合っているのかを確認しておく必要があります。
いくら30Wの出力を持ったUSB充電器ですよと記載されていてもそれが何の意味を持っているのかを理解しておかないと意味がありません。なのでなるべく簡単にその説明をしておきたいと思います。
V(ボルト)
これは電圧を示します。読んで字のごとく電気の圧力の単位で道路で例えると車の最高速度となります。
最高速度が高いと一定時間内に通過できる車(電気)の量が多くなるということです。
A(アンペア)
これは電流なので、電気の流れる量となります。これは道路で例えると車線数ですかね。車線数が多いと電圧の例と同じで一定時間内に通過できる車の量は多くなります。
W(ワット)
これは消費される電気のエネルギー(電力)を示します。
電力(W) = 電圧(V) x 電流(A)
の計算式で導き出すことが出来ます。(実際には力率も関係するのですがココでは割愛。)
今回のUSB充電器の出力でいうと、
5V x 3A = 15W
9V x 3A = 27W
15V x 2A = 30W
20V x 1.5A = 30W
となりますので、カタログスペックにある30Wの出力があるということがわかります。
新素材窒素ガリウム(GaN)の採用
これまでのUSB充電器と比較して高出力で小型を実現しているのは次世代の半導体素材である「窒素ガリウム(GaN)」を採用しているためです。
細かなことは私にはよくわかりませんが、これからは窒素ガリウムを採用したUSB充電器がトレンドになってくるのでしょう。
デメリット無くは無い
コンパクトで高出力な本製品ですが、デメリットも無いわけではありません。それはコンセントプラグを折りたたんで収納することができないんです。
常にプラグが剥き出しなのです。iPhoneの充電器もプラグを折り畳むことはできないのでこの製品だけのデメリットでは無いのですが日常的に使用していると気になってしまいます。
コンパクトなだけに鞄に入れて持ち運ぶケースが多くなるのですが、鞄から取り出す時にプラグ部分が引っかかる場合があるんです。これだけは改善の余地ありですね。
iPad Proを充電
細かなことは兎も角、充電開始です。
最初にも触れましたが、この製品はUSB-Cのインターフェースを採用しています。まぁ、そもそもUSB-CのPD(Power Delivery)によって30Wの高出力が実現できているわけですが。
ですので、これまでのiPhoneに付属していたUSB-A - Lightingケーブルではこの製品は充電できずUSB-C - Lightingケーブルを別途購入して使用する必要があります。
今回はApple純正のUSB-C - Lightingケーブルを購入して使用しました。
まぁ、当たり前ですがiPad Proの充電も何ら問題なし。
MacBook Pro 15インチを充電
次にMacBook Pro 15インチの充電を試してみました。そもそもMacBook Pro 15インチに付属する充電器は87Wタイプのものです。本来であれば(最大)87Wクラスの給電を必要とするのに30Wの充電器で給電が正しくされるのかが気になります。
Atom PD1(左)とMacBook Pro標準の87W充電器(右)
まずは、標準の87W充電器に接続
MacOSのシステムレポートを見てみると86W(誤差?)で充電できていることがわかります。充電中も「はい」となっていますね。
次にAtom PD1に差し替えてみます。
おぉ、30Wで認識され充電中も「はい」となりました!
87Wと比較するとかなりゆっくりではありますが充電されています。
ただし、これはMacBookの負荷が軽い状態での話で、RAW写真の現像等ある程度の負荷をかけると給電量よりも消費電力が上回ってしまい充電中ステータスが「いいえ」に変わってしまいます。
30WはMacBook Pro 15インチにとってギリギリな給電量だったと言うことですね。
次は外部ディスプレイを接続してみました。
Apple純正の「USB-C VGAマルチポートアダプター」を使用して外部ディスプレイと接続です。
すると、
充電中ステータスが「いいえ」に変わってしまいますね。
バッテリー残量もみるみる減っていきます。。。
MacBook Pro 15インチでのこのAnker PowerPort Atom PD1の利用には少し無理があるようです。用途としては外出時にカフェ等でバッテリー残量が減らない程度に充電を行うといった感じでしょうか?Mac上での作業もWebブラウジングやメールの送受信といった軽作業レベルが限界です。
スマホ、タブレットの充電には最強
MacBook Pro 15インチの充電にはパワー不足であるもののスマートフォン、タブレットの充電においては全く問題なく(というか完璧に)使用が可能な一品です。
重さも53gと鞄に常備しておいても全く気にならないと思います。また、コンパクトであるがゆえにカフェでの充電においても隣席の人に気を使うこともなく使用ができるとケチのつけようがありません。
スマホ標準のUSB充電器から買い替えを検討されている方にとってはベストと言っていい製品と思いますので是非ご購入ください!